食事の時間は人の心をも温める。
みなで集って食事をすれば、
どんな場所も食卓に変わる。
そんな時間を
簡易的なキャンプフードではなく、
キッチンで調理した
本格的なメニューで楽しみたい。
家で、野外で、楽しめる
7つのレシピを紹介しよう。
北欧でよく食べられている
食材や野菜やハーブに注目。
これからの季節、
日本でも手に入る食材に、
工夫とアイデアを加えて、
室内外問わずに楽しめるレシピを揃えた。
耳慣れない野菜や
ベリーを使ったディップなど、
長い冬を楽しむ北欧に学んだ食を、
大切な家族や友人とともに囲んで欲しい。
Chef
岸本恵理子Eriko Kishimoto
出張料理人、スローフードマスター。
広告会社に勤務しながら、葉山・一色海岸の海の家で料理を手伝ううち、料理を学ぶためにイタリアへ旅立つことを決める。
イタリア各地のレストランで3年間にわたって修業し、帰国後はイタリアの伝統料理を軸とする出張料理を手がける。
個人宅、イベント出店のほか、広告や映画での料理製作、料理監修などでも幅広く活躍。
イタリアワイン生産者の通訳、コラボレーションイベントなども手がける。
Instagram | @eritin_on_the_earth
RECIPE 1
カラフルトマトのピクルス
RECIPE 1
カラフルトマトのピクルス
色とりどりのカラフルトマトを使った爽やかな酸味あるマリネ。ピクルス液に、ローリエ、粒胡椒、マスタードシード、鷹の爪などを好みで入れ、自分好みの味に仕上げよう。LandNormの《エナメルオーブンディッシュ》に漬ければ、そのまま食卓に並べてもいい。仕上げにオリーブオイルをかけると、より風味豊かに。
材 料
- カラフルミニトマト適量
A
- ワインビネガー200cc
- 水200cc
- 砂糖小さじ4
- 塩小さじ3
B
- ローリエ、粒胡椒、マスタードシード、鷹の爪など
作り方
1
Aを鍋に入れて沸騰後、火を止めてBを好みで入れて冷ますとピクルス液が完成。
2
カラフルミニトマトを熱湯に10〜20秒ほど入れ、取り出したらすぐに氷水で皮を剥く。
3
ピクルス液に湯むきしたカラフルミニトマトを漬ける。
4
3〜4時間ほど置いたら食べ頃。
RECIPE 2
鱈と里芋のペースト
RECIPE 2
鱈と里芋のペースト
古くから北欧で愛されてきた魚が鱈。〈干し鱈とじゃがいものスープ〉など、じゃがいもと合わせるのも北欧の定番。ここではじゃがいもを、日本で古くから愛されてきた里芋に代えて新たな提案に。冬に最盛期を迎える鱈のほぐし身が粘り気のある里芋とよく馴染む。さらに塩レモン(レモンスライスに塩をまぶしてしばらく置いてから刻んでも)とディルのみじん切り、オリーブオイルを加え、ペーストとともにパンやクラッカーに載せるのもおすすめ。
材 料
- 里芋400g
- 生鱈切り身200g
- 塩小さじ1/2
- オリーブオイル少々
- 鷹の爪1/2
- 白ワイン+水100cc程度
- レモン果汁大さじ1
- 無塩バター大さじ1
- 塩胡椒少々
- ディル少々
- 塩レモン少々
作り方
1
里芋は皮付きのまま串が通るまで蒸し、皮を剥いたらマッシャーで潰して表面にラップをかけておく。
2
鱈に塩を塗って10分ほど置き、出てきた水分を拭き取る。(甘塩の鱈は作業不要)
3
フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温め、鱈を皮目から入れて火を通す。
4
表裏ともに1〜2分ほど火を入れてワインを加え、鱈が半分くらい浸る程度に水も加える。
5
弱火にして蓋をし、鱈に火が通ったら取り出す。
6
鱈の粗熱が取れたら、皮をのぞいて身をほぐす。
7
フライパンにオリーブオイルと鷹の爪とつぶしたにんにくを入れて中火にかけ、香りが出てきたら鱈のほぐし身を入れて炒める。レモン果汁と無塩バターを加え、水分を飛ばす。
8
1と7とディルのみじん切りを加え混ぜて、塩胡椒で味を整える。
RECIPE 3
白インゲン豆とビーツと
ホースラディッシュのマリネ
RECIPE 3
白インゲン豆とビーツと
ホースラディッシュのマリネ
冬の北欧を代表する野菜が鮮やかな赤のビーツ。そんなビーツの赤とともに食欲を刺激するマリネのレシピは、野菜の食感が楽しめる一品。しっかりと味付けした白インゲン豆とビーツ、赤タマネギにホースラディッシュの抜けるような辛みがよく合う。
材 料
- 白インゲン豆100g
- ビーツ1個
- 赤たまねぎ1/2個
- 赤ワインビネガー大さじ1.5程度
- オリーブオイル適量
- にんにく適量
- ワインビネガー適量
- 塩適量
- ホースラディシュ適量
作り方
1
吸水させた白インゲン豆に塩少々を加え、柔らかくなるまで茹でたら、茹で汁ごと冷ます。
2
皮付きのビーツをホイルに包み、200度のオーブンで1時間ほど火を入れる。串がすっと通るほどに火が通ったらビーツを冷まし、白インゲン豆と同サイズ程度の角切りにする。
3
赤たまねぎを繊維に沿って1.5cm程度の串切りにし、鍋もしくはフライパン(赤たまねぎが底にちょうど広がる程度の大きさが望ましい)にばらし入れて、赤ワインビネガーをまわしかける。
4
木べらなどで混ぜながら、赤ワインビネガーが飛ぶまで強火で加熱。加熱後すぐにバットで冷ます。
5
ボウルの壁にオリーブオイルを回しかけ、つぶしたニンニクをこすって香りをつける。
6
ボウルに、白インゲン豆、ビーツ、赤たまねぎを入れて、ワインビネガー、塩少々を加え、ホースラディシュを削りかけて和える。
7
皿に盛り、さらにホースラディシュを削りかける。
RECIPE 4
根セロリのフリット
RECIPE 4
根セロリのフリット
ヨーロッパではポピュラーながら、日本ではあまり知られていない根セロリをフライドポテト感覚でフリットに。衣はあくまで薄く、軽く。火が通ってほくっとした根セロリとカリッと揚がった衣が好相性をなす。馴染みのあるしゃきっとしたセロリの茎部分をギリシャヨーグルトに混ぜてディップに。爽やかな酸味がよく合う。ワインやビールのお供に、思わず食べ過ぎないよう要注意。
材 料
- 根セロリ400-500g
- セロリ10-15cm程度
- ギリシャヨーグルト大さじ3〜4
- オリーブオイル少々
- 塩適量
- 小麦粉適量
- 水適量
- パン粉(細挽き)適量
- 揚げ油適量
作り方
1
セロリ少々を5㎜角に刻み、ボウルに入れて塩をまぶす。
2
セロリから水分が出てきたら絞り、ギリシャヨーグルトとオリーブオイルを和え、塩で味を整えたら〈セロリとギリシャヨーグルトのディップ〉の完成。
3
根セロリを1.5〜2㎝程度の太さでスティック状に切る。
4
小麦粉と水=1:1.1〜1.2程度で混ぜたバッター液を作り、根セロリをくぐらせる。
5
しっかり押し付けるようにして、根セロリにパン粉を付ける。
6
180度程度の揚げ油でこんがり揚げ、熱いうちに塩をふれば〈根セロリのフリット〉の完成。
RECIPE 5
サーモンハーブマリネ
RECIPE 5
サーモンハーブマリネ
鱈と同じく北欧で愛される魚がサーモンやマス。ディルなどのハーブとスパイスをたっぷり使ったマリネはワインに最適。マリネとして楽しむだけでなく、茹でたてのショートパスタに和えるとさらに美味しく楽しめる。パスタをボウルに入れ、マリネ、刻んだケイパー、スライスしたたまねぎ、オリーブオイル、少々の茹で湯と混ぜれば完成。パスタの余熱で仕上げる《クルダイオーラ》仕立てが魚のうま味を引き立てる。
材 料
- サーモンもしくはマス半身
A
- 塩と砂糖魚の重さの2%
- 挽き立てのスパイス
- (ジュニパーベリー、コリアンダーシード、白胡椒など)
- ハーブ(ディル、セージなど)
- オリーブオイル
B
- コルニション(ミニキュウリのピクルス)
- レモン
- 赤たまねぎ
- ルッコラ
作り方
1
えら、腹骨、皮を取り除いた魚の表面に、混ぜ合わせたAをまんべんなくまぶす。
2
キッチンペーパーを敷いたバットに1を載せてラップをかけ、冷蔵庫で半日以上置く。
3
魚の表面に浮く水分を拭いて中骨を取り除き、みじん切りにしたハーブを混ぜたオリーブオイルをまんべんなく塗って3時間以上置く。
4
適当な大きさに切って皿に盛り、お好みのBを添える。
RECIPE 6
仔羊とフェンネルの煮込み
ラズベリーマスタードクリーム
RECIPE 6
仔羊とフェンネルの煮込み
ラズベリーマスタードクリーム
フェンネルと魚を合わせるのは定番だが、肉とも相性がよい。ここでは仔羊とともにフェンネルをまるごと楽しもう。甘く爽やかな生の葉はサラダをはじめ、細かく刻んでパスタやスープに加えても。根の部分にあたる鱗茎は、生でシャキシャキとした食感、加熱すると新玉ねぎのような甘味を楽しめる。森の果実も北欧でよく見られる肉料理の付け合わせ。ラズベリーにひと手間を加えたクリームが、爽やかに仔羊の風味を引き立てる。
材 料
- 仔羊(肩肉)600g
- 塩5g(肉の重さの0.8-1%)
- オリーブオイル適量
- ニンニク1かけ
- 玉ねぎ1/4個
- フェンネルの鱗茎1/2個
A
- 白ワイン200g
- 粒胡椒20粒
- ローリエ1枚
B
- 生クリーム100g
- 粒マスタード50g
- ラズベリー8-10粒
- フェンネルの葉適量
作り方
1
仔羊を適当な大きさに切り、塩をまぶす。
2
鍋にオリーブオイルを入れ、皮ごと潰したにんにくを加えて中火にかける。さらに粗く千切りした玉ねぎとフェンネルの鱗茎を入れ、しんなりと透明感が出るまで炒める。
3
鍋に仔羊を加え、肉の表面が白っぽくなるまで炒める。
4
鍋にAを加えて落とし蓋をし、弱火で15〜20分ほど煮ると〈子羊とフェンネルの煮込み〉の完成。
5
生クリームを八分立て(柔らかく角が立つ程度)で泡立て、粒マスタードとちぎったラズベリーをさっくり混ぜたら〈ラズベリーマスタードクリーム〉の完成。
6
皿に盛った〈子羊とフェンネルの煮込み〉に、刻んだフェンネルの葉と〈ラズベリーマスタードクリーム〉を添える。
RECIPE 7
ママのアップルスパイスケーキ
RECIPE 7
ママのアップルスパイスケーキ
LandNormの《エナメルオーブンディッシュ》で、りんごたっぷりの手軽な定番ケーキを。シナモンやカルダモンパウダーを加えた粉糖を茶漉しで振って仕上げれば、より美味しく香り高く。お好みで爽やかなヨーグルトクリーム(砂糖10gとラム酒少々を加え、ゆるく泡立てた生クリーム100gとヨーグルト100gを加える)を添えても。
材 料
- りんご2個(芯を取り除いて約500g)
- 卵2個
- てんさい糖100g
- 米油もしくはあまり香りの強くない油100g
A
- 小麦粉200g
- ベーキングパウダー小さじ2
- シナモン小さじ2
- カルダモン小さじ1/2
作り方
1
オーブンをあらかじめ180度で熱しておく。
2
卵とてんさい糖をボウルに入れてホイッパーで混ぜ、さらに米油を入れて混ぜる。
3
Aを合わせてふるいにかけ、ボウルに加えて混ぜる。
4
いちょう切りにした皮付きのりんごをボウルに加えて混ぜ、オーブンペーパーを敷き込んだ型に入れて40〜50分ほど焼く。
5
串を刺して生地がついてこなければ完成。
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