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Friluftsliv Journal

Be yourself with nature

自然との共存

家でくつろぐように居心地がよくて、同時に好きなだけエネルギーを発散し、再充電できる。私にとって自然は、それらすべてを叶えてくれる場所である。今から500-700万年前に人類が誕生して以来、我々は自然と密接に共存してきた。都市空間がつくられて本格的に人が暮らし始めたのも、なんだかんだ言ってここ150年以内の出来事なのだ。だから自然の様々な要素とつながりを感じるのは、まさに人間の本性だと思う。

私の職業は物書きなので、仕事中は屋内で過ごすことがほとんどだが、それでもできるだけ毎日、自然の中で過ごす時間を持つように努めている。幸運にも、今住んでいるところは豊かな自然環境の中にある。デンマーク、コペンハーゲン北部の小さな町で、家のすぐそばに森と海岸が広がっている。朝、窓の外に鹿や野生動物がいたりなんてこともしばしばで、子供たちと一緒にビーツやニンジンをやったりするのも、都会ではできない体験だろう。

コロナ禍で、特に自宅でのオンライン授業が続いた子供たちにとっても、普段以降に自然とのふれあいが大切なものになった。マウンテンバイクで一緒に森の中を走ったり、暗くなってから、懐中電灯を持って夜の散歩をするのも楽しい。

夜といえば、たまに訪ねてくる友人たちがうちに泊まるときには、庭で焚き火をする。これほどまでにリラックスできて、引き込まれてしまうものは何かといえば、それは、めらめらと木の枝に燃える炎を、ただ眺めることだ。火が放つエネルギーは、かつて太陽が木を成長させたエネルギーでもある・・・燃える木の匂いに包まれながら、ふとそんなことを考える。星空の下、暗闇の向こうからは鹿の鳴き声が響いてくる。自然が繰り広げるシーンは、どんなに人気のTVドラマよりおもしろい。

趣味として情熱を注いでいるスタンドアップパドルは、一年中やっている。パソコンに向き合う長い一日を終えた後、海岸に出て水の中にボードを投げ入れ、いざ漕ぎだすと、その瞬間から全身で感じる海との一体感は、最高に気持ちいい。きりりと冷たい波。水平線に沈んでいく太陽に反射して、金色に光る水面から、ひょっこりとアザラシが出迎えてくれることもある。
土、火、空気、水。どれも自分にとって不可欠であり、幸福感をもたらしてくれる自然の要素であることは間違いない。

(訳:via&plus)

Torleif
デンマーク在住/50代男性/脚本家

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